夏とレモンとオーバーレイ、コミカライズ単行本発売
「あなたに、お葬式で遺書を読み上げてほしいんです。」バカみたいな話というのは本当にある。持ちかける側も乗る側もバカみたいな話。あたしが聞いたのは、まさしくそういう話だった。第1話「遺書声優とインスタ女」(Ru.pixivノベル.2020,1p.)
簡単なあらすじ:
上京して7年、生活収入の大半はコンビニバイトに頼り、時々インターネット配信を行う、売れない女性声優「ゆにまる。」、そんな彼女に一通の依頼ダイレクトメッセージが届く。
依頼の打ち合わせ先に現れたのは、インスタをやってそうなOL、紺野さやか。
彼女からの依頼とは「私のお葬式で、遺書を読み上げてほしい」という内容だった。
生まれた場所も、見てきた世界も全く異なる2人の、ひと夏の思い出作りの物語。
あらすじは大体こんな感じです。
コミカライズを手掛けたのは「宮原都」先生(→Twitter)。
▲夏とレモンとオーバーレイ書影 画像はAmazonより引用 |
自分がこの作品に出会ったのはコミカライズが発表されてからでした。
元々、宮原都先生の絵が好きで、前作の「一度だけでも、後悔してます。」から追いかけてはいたのですが、そんな宮原先生が新たに手掛けたのがこの作品でした。
「夏とレモンとオーバーレイ」という作品のタイトルで惹かれ、そこからの「私の葬式で遺書を読んでほしい」というトチ狂ったような依頼。
紺野さやか、一見はまともそうに見えるのに、頭の中が狂っているのだろうか。
それとも、なにか持病を抱えているのだろうか。
とてもそんな風には見えない彼女に、更に惹き付けられた気がします。
本作品は「ゆにまる。」の視点で進み、読み進めるごとに紺野のことがわかり、そしてわからなくなっていきます。
Pixivコミックで月間連載されてた頃は、毎月毎月続きを読みたくて堪らない気持ちになったものですが、これがいつでも手元にあって、読めるようになるとは最高の幸せ。
苦いけど甘酸っぱい、ミントの添えられたレモネードのような素敵な作品です。
ぜひ読んでみてください。